ポーラロ討論会BBS


カテゴリ:[ 子供/学校/教育 ]


19件の内、新着の記事から10件ずつ表示します。


[19] これも混成電位?

投稿者: Tatsumi 投稿日:2017年12月 7日(木)16時10分43秒 tatsumi.shinshu-u.ac.jp  通報   返信・引用

E_chemistさんの記事を読んでいたら、ちょうど学部2年生がFe(II)+Ce(IV)の酸化還元滴定の質問に来ました。当量点前の酸化還元電位EがFe酸化還元対の濃度比、当量点後のEがCe酸化還元対の濃度比で決まるのが納得できないようです。答えとして、平衡状態では2つのNernst式がつねにイコールとおけるが、当量点前まではCe(IV)の濃度が「ゼロ」でCeのNernst式の対数項が「マイナス無限大」になり「計算できない」からFeのNernst式で、逆に当量点後はFe(II)の濃度が「ゼロ」でNernst式の対数項が「プラス無限大」になり「計算できない」からCeのNernst式で計算するんだ、と言ったら、引き下がってくれました。
この系では、2つの電極反応とバルクの酸化還元反応をすべて平衡と見なせるので、混成電位を考える必要はないと思いますが、2つの電位決定反応が1回の滴定中に切り換わっています。片方が計算できないからもう片方で計算しなさい、というのは、ちょっと説明不足かもしれません。もうちょっと気の利いた説明ができないものか、と思います。



[18] 混成電位?_電極電位の支配因子

投稿者: E_chemist 投稿日:2017年11月27日(月)22時46分44秒 133.45.122.61  通報   返信・引用

混成電位の定義:「界面を横切る電荷移動が起こり、2つ以上の電気化学反応が存在し、一般に平衡でないときに測定される電極電位」
 微量の「不純物」で、混成電位とは広義では確かにそうかもしれませんが、表現法に少しだけ違和感があるようにも思います。
 明確な電位決定反応がないとき(例として、題目の酸化体か還元体か一方かないとき)には、そのほかにstray capacitanceへの充放電(小さな電極で鞘が薄いと目立つ)[電荷に偏りがあり得るが、その電荷量は無限ではないので、その電位差も有限だから、電位はプラスマイナス無限にはならない]、さらに小さい系だと近くの壁面に電荷が不均一にあると電気浸透流による二重層容量の揺れ、半導体や酸化物(だけでなく本当はmetalでも=D. Kolbらの論文参照)の表面準位へのフェルミレベルピニングなども、そうした場合の電位決定因子ですね。決定といってもdetermineでなく「電位の浮遊する電位領域」への因子ですが。

 さて、Nernst式の適用範囲にもコメントしたい。E°からどこまで離れて成り立つのか? 「ただ一種類の電極反応だけが起こっている」なら「Nernst式が成り立つ」???  ずっと_どこまでも?

(例1) monolayer吸着量は高々10-9 mol/cm^2.  この膜内で、酸化体と還元体の比が1:残り全部になる過電圧は? そこまで成り立ち得ないのは...平衡の意味、アンサンブル。では、2H2 + O2 = 2H2Oの平衡定数はいくら? 上の比と比べてみたい。またフェリシアンの全錯生成定数は? 成り立ち得ないといった範囲を超えているのではないか。でもこれらK値に意味があるのはなぜ? 地球上に1個対残り全部でも成り立ちそうな比なのに。平衡定数に比の意味があるというには限界がある?

(例2) 想像ではあるが、かつて、高名な電気化学者2名が、「Nernst式は、どんなにOx/Red比がゼロか無限大に偏っても成り立つ」と夢想し、それで考えたのが常温核融合だったのではないかと言われている。どこまでも成り立つなら、ずっとnegativeにすると、Pd格子にオクルージョンしたDは途轍もない圧力になると。
●限界を考えるときには気をつけないと... そもそもchemical potentialのaを巨大にしたりごく小さくしたらどういうことになるのか、...「新しい式の定義が出てきたら、変えられるパラメータを全て一つずつ、頭の中で極端まで大小振ってみなさい。無限大、ゼロ、正、負、...。 それが理解を深めるのですよ。」と教えられた学部1年生の熱力学の講義が思い出されます。



[17] 電極電位の支配因子

投稿者: KJA 投稿日:2017年10月20日(金)14時30分46秒 icpc99.b.cii.u-fukui.ac.jp  通報   返信・引用

溶液中に酸化還元物質が無いと思われるとき、電極電位は気が付かない不純物の平衡電位で決まると、その昔、教わりました。実験開始前に、まず平衡電位を測定する者にとって、昔の偉い人のお説教はチト経験と違うなあと思うことがあります。経験ではもう一つの支配因子があるようで。吸着種がすこしでもあれば、電荷とキャパシタンスの釣り合いから、電圧が発生するはずです。電気化学ではNernst式しか考えないから、電位の話はすべて酸化還元反応電位に押し付けてしまいます。「ここが難しい」part1を読んだ感想です。



[16] BBS継続します

投稿者: MJY 投稿日:2017年 4月21日(金)08時53分31秒 101.143.231.103  通報   返信・引用

皆様 BBSは現在の形で継続いたしますので,利用お願いします。討論会だけでなく,学生会員の議論とかにもお使い下さい。



[15] ありがとうございました

投稿者: Tatsumi in Miyako 投稿日:2016年11月21日(月)16時33分54秒 p2012-ipbfpfx02yosemiya.okinawa.ocn.ne.jp  通報   返信・引用

KJA先生の講演で、Saito式の導き方がわかった、というよりも、斉藤さんがやったこと、すなわち条件に合う答えを積分の表から見つけてきた、ということがわかって、大変勉強になりました。ありがとうございました。



[14] 前は経過派、今は結果派

投稿者: Tatsumi 投稿日:2016年 9月20日(火)15時50分46秒 tatsumi.shinshu-u.ac.jp  通報   返信・引用

私は学生時代に理論が好きで、(実験をさぼって)電気化学の古い本ばっかり読んで、数式の「経過」から与えられる喜びに浸っていました。今は、雑事に追われて(なんでこんなに時間がないんだろう)すぐに「結果」を求めるようになってしまいました。
Saito式の中に円周率が入ってこないのに疑問をもって、学生時代に原著をあたってみましたが、その「経過」の部分はよくわからずじまいでした。ぜひこの機会にKJAさんかMJYさんにお話しいただければうれしいです。一般的にこの式は微小電極の定常電流の式、と捉えられていますが、定常か非定常かは測定時間のスケールの違いだけの問題で、円形の界面は電気化学測定で広く用いられているので、多くの人に関係する話題だと思います。
ちなみに斉藤さんの所属は製薬会社の三共でした。どのような「経過」で製薬会社の社員が微小円板電極近傍の物質移動の研究をし、それをポーラロ誌に投稿したのかは謎です。(千田先生に聞いとけばよかった。)



[13] Re: 結果と経過のどちらが好き?

投稿者: MJY 投稿日:2016年 9月 8日(木)10時58分52秒 160.247.72.153  通報   返信・引用 > No.12[元記事へ]

KJA様
 このあたりのことを討論会でお話いただきませんでしょうか?

>  結果を定量化するには数学が必要ですが、より大きな数学の効能は、論理の進展を知ったときの喜びを味わうことです。数学が必要かどうか問題にしていたら、喜びなどありえません。結果のずっと先にある喜びを夢見るからこそ、研究に命をかける力が湧いてきます。例として、以下をご覧ください。
>  微小円盤電極における拡散電流式I = 4FcDaをどのように導出するか、少々調べても見つからないと思います。種々の形状をしたコンデンサの容量を求めるのに、昔から、その形状に即した座標変換が開発されています。J. Newmanの単行本Electrochemical Systems中、溶液に円盤電極を入れたときの電気抵抗の節に、電位に関するLaplace式を特殊な座標変換で解く概略が出ています。微小電極の拡散電流は濃度に関するLaplace式を解いたものなので、その座標変換を使うと、I = 4FcDaが得られます。その座標変換はNewman以前に開発されたものです。Rev. Polarog. 15 (1968) 177で名高いSaitoさんは、I = 4FcDaの形になることを目指して、Laplace式を円筒座標で解こうと努力されました。Saitoさんの方法では、濃度分布(軸方向r、電極面に垂直方向z)が
> c = (以下を0から無限大まで積分)S(p) exp(-pz) J0(pr) dp
> と書けます(J0は0次のベッセル関数)。exp(-pz) J0(pr)は変数分離形から自然に導出されます。問題は何故S(p) = 2sin(ap)/(pi)p となったかです。S(p)の関数形は境界条件を満たしているから、これで間違いないのですが、何故sin(ap)や1/pが飛び出してきたのか、説明できません。つまり「導出」したのではなく。「当てた」のです。正確に言えば、定積分の表の中から、目的のものを探し当てたと思われます。探し当てたのは立派な業績です。しかし、関数形が天から降ってきたとしか答えようがないので、導出を他人に説明できません。だから、学生に導出を質問されても、教員は、できればいいでしょうと言って逃げるだけです。若い人は結果よりも、こんなに簡単な形になった道筋を知りたいはずです。それに答え、道筋を味わうのが数学です。
>  ついでながら、S(p)の導出を簡単に示します。sin(ap)を i[exp(iap) - exp(-iap)]/2と書くと、Laplace変換においてexp(-as)は0 < r < aにおいて元の関数を零にするシフト関数です。これを用いると、壁上(r > a, z=0)の濃度を規制せずに、電極表面(r < a, z=0)濃度を零にできます。共役の指数関数を使うのは、ベッセル関数J0(pr)を複素積分するのに、共役形が必要だからです。一方、S(p)の分母にあるpは、べッセル関数が収束する(つまり有限の濃度が存在する)のに必要な留数を与える唯一の形です。この論法を逆に進めると、定数も含めてSの関数形が自然に導出できます。まもなく発刊されるJ. Electroanal. Chem. (2016)の”Voltammetry at a single nano-electrode by varying electrode diameters: Review”中のAppendixに導出の詳細が出ています。
>



[12] 結果と経過のどちらが好き?

投稿者: KJA 投稿日:2016年 9月 4日(日)18時41分56秒 B107211.ppp.dion.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

 結果を定量化するには数学が必要ですが、より大きな数学の効能は、論理の進展を知ったときの喜びを味わうことです。数学が必要かどうか問題にしていたら、喜びなどありえません。結果のずっと先にある喜びを夢見るからこそ、研究に命をかける力が湧いてきます。例として、以下をご覧ください。
 微小円盤電極における拡散電流式I = 4FcDaをどのように導出するか、少々調べても見つからないと思います。種々の形状をしたコンデンサの容量を求めるのに、昔から、その形状に即した座標変換が開発されています。J. Newmanの単行本Electrochemical Systems中、溶液に円盤電極を入れたときの電気抵抗の節に、電位に関するLaplace式を特殊な座標変換で解く概略が出ています。微小電極の拡散電流は濃度に関するLaplace式を解いたものなので、その座標変換を使うと、I = 4FcDaが得られます。その座標変換はNewman以前に開発されたものです。Rev. Polarog. 15 (1968) 177で名高いSaitoさんは、I = 4FcDaの形になることを目指して、Laplace式を円筒座標で解こうと努力されました。Saitoさんの方法では、濃度分布(軸方向r、電極面に垂直方向z)が
c = (以下を0から無限大まで積分)S(p) exp(-pz) J0(pr) dp
と書けます(J0は0次のベッセル関数)。exp(-pz) J0(pr)は変数分離形から自然に導出されます。問題は何故S(p) = 2sin(ap)/(pi)p となったかです。S(p)の関数形は境界条件を満たしているから、これで間違いないのですが、何故sin(ap)や1/pが飛び出してきたのか、説明できません。つまり「導出」したのではなく。「当てた」のです。正確に言えば、定積分の表の中から、目的のものを探し当てたと思われます。探し当てたのは立派な業績です。しかし、関数形が天から降ってきたとしか答えようがないので、導出を他人に説明できません。だから、学生に導出を質問されても、教員は、できればいいでしょうと言って逃げるだけです。若い人は結果よりも、こんなに簡単な形になった道筋を知りたいはずです。それに答え、道筋を味わうのが数学です。
 ついでながら、S(p)の導出を簡単に示します。sin(ap)を i[exp(iap) - exp(-iap)]/2と書くと、Laplace変換においてexp(-as)は0 < r < aにおいて元の関数を零にするシフト関数です。これを用いると、壁上(r > a, z=0)の濃度を規制せずに、電極表面(r < a, z=0)濃度を零にできます。共役の指数関数を使うのは、ベッセル関数J0(pr)を複素積分するのに、共役形が必要だからです。一方、S(p)の分母にあるpは、べッセル関数が収束する(つまり有限の濃度が存在する)のに必要な留数を与える唯一の形です。この論法を逆に進めると、定数も含めてSの関数形が自然に導出できます。まもなく発刊されるJ. Electroanal. Chem. (2016)の”Voltammetry at a single nano-electrode by varying electrode diameters: Review”中のAppendixに導出の詳細が出ています。



[11] 傾きと切片

投稿者: Tatsumi 投稿日:2016年 8月19日(金)11時09分15秒 tatsumi.shinshu-u.ac.jp  通報   返信・引用

学生のポテンショメトリーの実験レポートで、電極電位が濃度の対数に「比例」した、と書いてくるのが毎年のように見受けられ、困ります。
日本人だけの(つまり言葉の)問題かというとそうでもありません。外国人の論文を査読していたとき、CVのピーク電流の掃引速度依存性で、明らかに切片があるのに「propotional」と書いてあったので、切片の意味を説明せよ、と審査意見を送りました。そしたら、充電電流がきちんと引けてない、とまぁ安易な回答だったので、今度は、掃引速度に比例する充電電流とその平方根に比例するファラデー電流が足しあわされてるのなら、掃引速度依存性は直線関係にならないはずだ、とちょっと意地悪な審査意見を送ったら、最後にはデータが差し替えられてきました(苦笑)。
ベースラインを無視して変化にのみ目が行くのは、何か本質的な人間の心理かもしれません。



[10] からかい:でも本当

投稿者: KJA 投稿日:2016年 7月 9日(土)13時16分21秒 icpc99.b.cii.u-fukui.ac.jp  通報   返信・引用

「電気化学と数学」より「電気化学と算数」に変えたほうが現実的ではないでしょうか。CVのピーク電流が電位掃引速度に切片のある一次関係でも、拡散律速だと主張する人が大勢いるのが現実です。つまり小学6年生の算数の問題
「縦の長さが3cm、横の長さがx cmの長方形のまわりの長さy cm」は比例関係かどうか答えよ、に間違う電気化学者が多いのです。
中学の数学の一次関数の応用では、一次関数の傾きと切片の意味を問います。我が討論会では、傾きと切片を問わない人が沢山いますよね。中学の数学は落第です。つまり、「算数」とするのが適切です。討論会の際、傾きと切片の意味に関して質問し、答えられない人には、ポスター講演に中程度のボルドーワインか同等のビールを出してもらったらいかがでしょうか。


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