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[13] Re: 結果と経過のどちらが好き?

投稿者: MJY 投稿日:2016年 9月 8日(木)10時58分52秒 160.247.72.153  通報   返信・引用 > No.12[元記事へ]

KJA様
 このあたりのことを討論会でお話いただきませんでしょうか?

>  結果を定量化するには数学が必要ですが、より大きな数学の効能は、論理の進展を知ったときの喜びを味わうことです。数学が必要かどうか問題にしていたら、喜びなどありえません。結果のずっと先にある喜びを夢見るからこそ、研究に命をかける力が湧いてきます。例として、以下をご覧ください。
>  微小円盤電極における拡散電流式I = 4FcDaをどのように導出するか、少々調べても見つからないと思います。種々の形状をしたコンデンサの容量を求めるのに、昔から、その形状に即した座標変換が開発されています。J. Newmanの単行本Electrochemical Systems中、溶液に円盤電極を入れたときの電気抵抗の節に、電位に関するLaplace式を特殊な座標変換で解く概略が出ています。微小電極の拡散電流は濃度に関するLaplace式を解いたものなので、その座標変換を使うと、I = 4FcDaが得られます。その座標変換はNewman以前に開発されたものです。Rev. Polarog. 15 (1968) 177で名高いSaitoさんは、I = 4FcDaの形になることを目指して、Laplace式を円筒座標で解こうと努力されました。Saitoさんの方法では、濃度分布(軸方向r、電極面に垂直方向z)が
> c = (以下を0から無限大まで積分)S(p) exp(-pz) J0(pr) dp
> と書けます(J0は0次のベッセル関数)。exp(-pz) J0(pr)は変数分離形から自然に導出されます。問題は何故S(p) = 2sin(ap)/(pi)p となったかです。S(p)の関数形は境界条件を満たしているから、これで間違いないのですが、何故sin(ap)や1/pが飛び出してきたのか、説明できません。つまり「導出」したのではなく。「当てた」のです。正確に言えば、定積分の表の中から、目的のものを探し当てたと思われます。探し当てたのは立派な業績です。しかし、関数形が天から降ってきたとしか答えようがないので、導出を他人に説明できません。だから、学生に導出を質問されても、教員は、できればいいでしょうと言って逃げるだけです。若い人は結果よりも、こんなに簡単な形になった道筋を知りたいはずです。それに答え、道筋を味わうのが数学です。
>  ついでながら、S(p)の導出を簡単に示します。sin(ap)を i[exp(iap) - exp(-iap)]/2と書くと、Laplace変換においてexp(-as)は0 < r < aにおいて元の関数を零にするシフト関数です。これを用いると、壁上(r > a, z=0)の濃度を規制せずに、電極表面(r < a, z=0)濃度を零にできます。共役の指数関数を使うのは、ベッセル関数J0(pr)を複素積分するのに、共役形が必要だからです。一方、S(p)の分母にあるpは、べッセル関数が収束する(つまり有限の濃度が存在する)のに必要な留数を与える唯一の形です。この論法を逆に進めると、定数も含めてSの関数形が自然に導出できます。まもなく発刊されるJ. Electroanal. Chem. (2016)の”Voltammetry at a single nano-electrode by varying electrode diameters: Review”中のAppendixに導出の詳細が出ています。
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